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2023.03.21

【IDC国際歯科クリニック】人材育成の先にある患者・スタッフの過ごしやすい空間

〜医院全体で成長できる環境をアートする〜

今までにない行動力から生まれ、大きな組織として育ってきた健誠会。今では歯科医のコンサルタントとして呼ばれ、モデルケースとして取り扱われたりと、高木理事長の経営手法は歯科業界で多くの人が学びたいものとなっている。

デザインへのこだわりや行動力が目立つ高木理事長の経営手腕ではあるが、健誠会が15年で全国トップの歯科医療法人に成長した要因は店舗デザインやアートによる空間づくりだけでなく、ドクターやスタッフを育てる環境や、技術の共有などがあって初めて成し遂げることができたものである。歯科医として活動を始めた頃から、人とのつながりや縁を大切にし、関わる人が成長できる情報は共有する。こういったスタンスが今の健誠会を作っている。こうした健誠会のソフト面での話、そしてそこに込められた真の思いを高木理事に聞いた。

日本歯科医師会の会員章がなければ、思わずBarカウンターを探してしまいそうなゴールドとホワイト基調のエントランス

技術は常に共有。それが病院全体のレベルを向上させる

今でも毎日のように治療を行う高木理事長。忙しい日は誰よりも多くの患者さんを診ることがあるという。しかしグループ内のドクターとしての実績数では「5位までには入れるかもしれないがが、3位に入ることはできない」と高木理事長。健誠会ではそれほど優秀なドクターが多く勤務している。また人手不足で入れ替わりの激しい歯科業界の中で、健誠会では10年以上勤務を続けるスタッフは珍しくない、中には開院当初から勤務するスタッフもいるという。

優秀なドクターやスタッフが辞めない環境が整っているということである。経営者の中には一番のままでいるため本当の秘訣は教えないという人もいるが、それではドクターたちは上を超えることができず成長できない「知り合ったからには必ず医師として成功できるように教育したい」と高木理事長。全国的にもトップレベルの経験を持つ高木理事長は、開院当初から自身が得た技術を後輩ドクターたちに惜しみなく教えてきた。もし教えたドクターがうまくできないことがあってもフォローし続ける。

結果、ドクターたちは安心して多くの経験を積み成長してくことができる。こうした人を大切にする考え方は医師1年目に出会った技工士と今でも仕事を続けているといったエピソードでも垣間見えるのではないだろうか。

これからはコラボの時代、自分より優れている思うことは任せる

ユニットを囲うカーテンの向こう側には六本木の街が広がり、ちょっとした優越感に浸りながらの治療を受けることができる

今後の歯科業界の展望について「これからはコラボの時代」と語る。いままで多くの歯科医院やドクターが、さまざまな技術を学び極めようと努力してきた。多くの技術を極めることは、医院の利益も上がり患者さんにとっても良いことだと思われていた。しかし歯科治療も多様化し歯科医院自体のあり方も変わりつつある今、患者さんにとって完璧な治療も単独ではなく、協力し合うことで成し遂げることができる時代になっている。

さまざまな技術を一人で極めるのは時間もかかり困難を極める。自身より優れていると思う分野は、その人に任せた方が素早くより良いアウトカムを達成する事ができる。もし自分が患者さんの立場であれば、そうして欲しいと考えると高木理事長。業界外も含め大手企業の参入など再編の波が見えつつある歯科業界の中で、これからは一人だけの技術、一つの医院、一つの医療法人だけでは太刀打ちできない時代が迫ってきているのではないだろうか。

他より優れた技術を極めている医師や医院などが協力し合い、より良い治療を患者さんに提供していくことを考えていかなければ、これからの歯科医院が生き残ってくことは難しいのではなかろうか。

スタッフや患者さんが安心して生活できる環境づくり

一代で7医院、スタッフ約120人と巨大組織となった健誠会の今後について、高木理事長に聞くと「明日、自分がいなくなっても、ドクターをはじめとするスタッフが変わらず生活していくことができる環境づくり」という答えが帰ってきた。秘書も事務長も置かず、一人でこの大きな組織を切り盛りする手腕を必要とする人は多く、高木理事長の元には多くの話が舞い込んでくる。M&Aによる立て直しの依頼や歯科医院のコンサルティング依頼などテーマは多岐に渡る。

また、患者さんへの安心感の提供という視点では、どこまで組織が大きくなろうと、全てのスタッフに対して患者さんへの接遇は徹底して教育される。高木理事長のこだわりの1つとして「患者さんの前では当然だが、バックヤードでも必ず“患者さん”と全てのスタッフが呼ぶこと。絶対に呼び捨てにはしない。」とのこと。日頃のささいな心がけが、来院された時に目に見えない暖かさ、居心地の良さを創り上げるのだろう。

「歯科医になって人に頼られることに喜びを感じ天命だと思う」と。現在47歳「まだまだ新しいことを展開するのもワクワクするが、エンドを考えないといけない」と高木理事長。一般的には10年後の57歳定年前あたりで考える人が多いのかもしれないが、常に一手先を突き進む。多くの声がかかる今、次のことを考える必要があると高木理事長。今の大きな組織にするまで、一気に駆け上がってきた分代替可能なポジションではない。次へ繋げていくということは決して簡単なことではないが「まず考えたいのはここまで自分を信じてついてきた患者さんやスタッフのこと」ここに生活の基盤を置き住宅ローンなどを組んでいるスタッフもたくさんいる、明日自分が死んでもみんなが変わらず暮らしていける環境づくりをしていかないといけないし、それが自分の責任だと語る。そしてこう付け加える「自分の楽しみはそうした組織づくりができた後かな」と。

今回訪問したI.D.C国際歯科クリニックを含め、健誠会が今後どのように変化していくのかカリスマ経営者と言われる高木理事長が今後どのような変化をもたらしてくれるのか今後も注目していきたい。